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マンダの生け贄にせよ!(6)ドリル発動機室

マンダの生け贄にせよ!小松崎茂氏「轟天号」の3D化は「より小松崎氏の初期設定画を基に考証を積み重ねる」という風に進めています。…とりあえず細かいところもどんどん3D化して後のパーツ化で省略・簡略化をする予定です。
ということで今回は前方のドリル発動機のある部屋…ドリル発動機室と呼ぶことにします。です。


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↑資料です…①、②は隅谷氏から頂いた資料。③は先日新たに隅谷氏から頂いた映画パンフレットからの資料…④はネットで見つけた同人誌?の一部です。これらを基に描いてみました。


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↑こんな感じです。少しずつ解説します。
a内殻…普通の潜水艦の場合「潜蛇」は内殻の外にあって潜水中は水に満たされます。轟天の場合「潜蛇」が大きく船体の中央部についていることや「カッター」部の収納などを考えるとそもそもこの部屋は内殻と外殻が複雑に入り組んだ構造になると思われます。CGではその辺は略しています。
b栄(改)…ドリル発動機はゼロ戦の栄発動機を搭載しています。資料の①から大きさを割り出しています。かなりの迫力です。最近来日したゼロ戦(栄可動飛行可能)の映像がユーチューブにあり、エンジンの始動時にガタン!プルン!バン!バン!と派手な音を出して煙と焼けたオイルを吐出す姿が印象的でしたが、轟天もドリル回転の時はかなり派手な音とともに始動する感じなのかもですね。実際のゼロ戦ではエンジンの下部に気化器につながる空気の取り入れ口があるのですが…轟天の場合海水を利用した燃料システムがあるものと思われます。
c排気管…どの資料にも乗っていないですがおそらく排気は引き込み式艦橋後部の煙突までつながっていると思います。海中では排気ガスは圧縮してタンクに貯めるのかな。
dメンテナンス通路(フロアー)…①~③の資料ではかなり広いフロアーが描かれていますが…実際は引き込み式潜航舵の収納スペースが大きくずいぶん狭い感じとなり中央に人がすれ違える幅の通路があるのみとなりそうです。
e制御盤…③の資料から左舷側後方の壁の部分に制御盤があるようです。CGでは椅子と網状の掲示ラックを描いています。(小物は以前指令発令室の時に描いたものからコピーして全体の小物に統一感を持たせる作戦です)
fオイルタンク…ちなみにドリル発動機の燃料は艦体後部の巨大な燃料タンクからパイプでひかれてくるものと思われます。設定画にはないのですが栄エンジンには必要なものなので…ゼロ戦のオイルタンクが黄色なのでそれらしく描きました。
続いて「潜蛇」及び「カッター」収納時です。


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海軍の潜水艦の延長にある小松崎氏の設定画ですが、実は引き込み式の「潜蛇」というのは当時の潜水艦にもありました。海上航行時や無音走行する場合などはたたんでいたようですね。
gh潜蛇用モーター…引き込みに使用するモーターgと舵の角度を変えるモーターをコンパクトに描いてみました。それでも収納時はかなり狭くなりますね。
i上部カッター引き込みモーター…後期の資料ではカッターは引き込み式に加えて刃が稼動するように描かれています。③の資料では刃の可動のチェーンのようなものが栄エンジンから延びてている様子も描かれています。初期の①、②には引き込み式とだけあるので可動用のチェーンなどはとりあえず描いていません。
jカッターガード…資料にはメンテナンスの手すり(通路)かかご状のガードのようなものが描かれているようなのでつけてみました。ついでにフロアーから梯子を伸ばしてみました。
k「えっ錨?」と思われるかもしれませんね。これは迷いました…②の資料の「潜蛇」の下にある四角いもの…小松崎氏は「錨」を描いていました。実は潜水艦の錨というのは通常の船のものと違って小さめで異音を発し難いように船体に埋め込まれるようにコンパクトに収納されるのです…しかも通常は「右舷側」のみ…要は小松崎氏は②の設定画で左舷側の絵を描いたのですが右舷側(停泊時海側)には錨がありますよという意味でこの四角い錨を描いていると思われるのです。後の資料の右舷には描かれておらず、いつの時点で錨がなくなったのかは不明ですが、当初小松崎氏が「海軍潜水艦の延長に轟天」を見ていたのがよくわかりますね。
l錨引き上げモーター…引き上げ用のモーターを描いてみました。
以上…轟天号のドリル発動機室の考察でした。
…ちなみに…


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↑艦橋部の引き込みについて何気に解明(解釈)出来つつあります。

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コメント

いやー、楽しくてしかたありません!
小松崎画伯の設定をここまで掘り下げるとは!

投稿: まつ | 2015年2月20日 (金) 08時24分

まつさん ありがとうございます
「設定画を読み解く」のは、なかなか奥が深いですね。
特に小松崎氏の設定画は綺麗にグラフィック化されたものと違い、一本の何気ない線の強弱にも意味があったりして氏の息遣いが聞こえそうですね

投稿: uhu02 | 2015年2月20日 (金) 15時15分

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