#047「gotengo」ペーパークラフト
映画「海底軍艦(1963東宝)」から「轟天号」です。特撮ファンにはおなじみのメカですね。伊福部昭氏の音楽にのせて登場する轟天号は迫力満点でした。
ただ…今回作ったのは映画に登場する轟天号ではないのです。今回作ったのは「小松崎茂設定画の再現版 轟天号」なのです。
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2015年初めに隅谷和夫氏よりリクエストと資料をいただきました。その資料のひとつが轟天号「小松崎茂氏の設定画」でした。
「小松崎茂氏の設定画」に生き生きとした筆致で描かれいたのは映画版の轟天号とはちょっと違うの「大日本帝国海軍」の流れを汲んだ「轟天号」でした。
明らかに「海底軍艦」(潜水艦)を意識したデザインで、左右に大きく張り出したタンク、艦首の魚雷発射口、艦橋部が映画版と異なっています。
潜水艦と言う視点で見ると初めて納得のいく部分もありました。ドリルの後方の3基のギザギザの部分…ノーチラス号やUボートにもある「対防潜網ワイヤーカッター」が原型となっていることが分かります。設定画では潜水艦らしく上下2基になっています。(映画版では3基になると同時に魚雷発射管が省略されたと思われます)透視図的に描かれたと思われる右舷の「錨」もちょっとした発見でした。
内部構造も「大日本帝国海軍の潜水艦」という視点ができてくるとおのずと小松崎茂氏の意図がつかめてきました。ゼロ戦で有名な「栄型エンジン」のようなドリル発動機、魚雷室の重なるように描かれているのは下士官用のベット、指令発令室と後部の館長室、海図室、サブロック室などが見えてきました。
それらを手掛かりに映画の指令発令室や引き込み式艦橋、後部エンジンの吸気・給水の配管を考証して設定、配置していくと内部構造が出来上がりました。
映画版では引込式の後部舵と矛盾の生じる「十字配置」のエンジンも氏の設定画どおり「X字」に配置することで矛盾がなくなりました。
立体化で一番手こずったのはやはり「ドリル」でした。映画版では「三重螺旋」と言われていますが、設定画の雰囲気に最も近い条数、回転数を追及し更に微妙に途中で角度が変わる形状を模索し「九条の二段螺旋」という解答を出しました。3D化、組み立てとともに難易度の高い部分となりました。
こうして小松崎茂氏の設定画を基にしてきた轟天号ですが、唯一映画版を忠実に再現したのが「指令発令所」です。繰り返し繰り返し映画を見ながら再現していきました。(画面が切り替わると機器のスイッチが取れているといった突っ込みどころも発見してしまいましたが…)
今回のペーパークラフトは右舷側からみると普通なのですが、左舷側から見ると内部構造が見れるという一粒で二度おいしいペーパークラフトにしました。
左舷側から見えない右舷側の内部構造もそこそこ再現しています。完成すると見えなくなりますが、作った人のお楽しみです。
型紙はA4サイズで19ページ。19ページ目は黒ベタになっていて、これは5,6,15,17ページの裏面を黒塗りするためのものです。
いつものことですがかなりキツキツにパーツを詰めています。
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ファイルの置き場がなくなったので今回は試しにgoogle driveへのリンクにしています。うまくダウンロードできれば良いですね。
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今回もたくさんの方から応援のコメントをいただきました。ムズさん、manmaluさん、あめふらしさん、TACBONさん、DAVID ROJASさん、まつさん、Joy Cohnさん、takaさん、写真屋まささん、Luis Hojoさん、Shin CSさん、SJP ONeillさん、勝部賢治さん、shin5さん、Martin Sweeneyさん、Reinoudさん、クリスタルボーイさん、Hogweedさん、zenさん、konchanさん、Ronal Meinkeさん、モリヤンさん、Jamesさん、Reinoud Zandijkさん、Toninoさん、いぼ仙人さん、Luisさん、オッチョコさん、ZONYさん、Juan Pablo Trejoさん、kenkenさん、たくぼんさん、Y.Shimadaさん、sakeさん、masaさん、yuujiさん…ありがとうごさいます。
そして…過去最長の製作期間(1年強)で、ついつい作業が滞りがちになったときに「顔晴ってちょっとずつでも前に進もうよ」と天国から応援してくれたtakakoinochiさん…コメントはなかったけど声援はちゃんと届いていたよ。
皆様のおかげで…#047「Gotengo」完成です。
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